オイルＱ＆Ａ[大隅石油]

オイルQ&A <基礎知識>

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ガソリンや灯油はどのようにして作られるの？

ガソリンや灯油、軽油などの石油製品の原料を原油といいます。まず、原油は加熱炉で約３５０℃に熱せられたのち、常圧蒸留装置（トッパー）に送られ、この常圧蒸留装置の中で石油蒸気となります。その後冷やされ、沸点の低いものから高いものへと順番にいろいろな石油製品のもととなる基材に分けられます。この操作を『蒸留』といい、分けられた石油製品となる基材を『留分』といいます。常圧蒸留装置で分けられた留分は、沸点の低いものから順に石油ガス留分、ガソリン・ナフサ留分（３５～１８０℃）、灯油留分（１７０～２５０℃）、軽油留分（２５０～３５０℃）、残油（３５０℃以上）に大別されます。これらの各留分は、さらにいろいろな装置によって化学的・物理的に精製および処理され、それぞれの用途に適した精製度の高い、より高品質な石油製品になります。

石油はどんな所で使われている？

石油はいろいろな所で、様々な用途に使われており、約４０％が熱源として工場や家庭などで、約４１％が動力源として自動車・船舶・航空機などで使われています。洗剤やプラスチック製品、合成繊維などの石油化学製品の原料として、約１９％が使われています。また機械類をスムーズに動かす円滑油としてもわずかに使われています。ビニールハウス内の暖房燃料としても使われています。

灯油の特徴

家庭用のエネルギーとして身近な灯油にはいくつかの優れた特長があります。
　１）堅固な地下タンクなどで安全に貯蔵・備蓄でき、地震などの災害に強い。
　２）液体の燃料なので、タンカーやローリーをはじめ多様な輸送手段によってどこにで
　　　も供給できる。　
　３）地震などで万一ライフラインが切断されても、迅速な供給ができる。
　４）カロリー当たりのエネルギー単価が安く、経済的に優れたエネルギーである。
これらの特長を持つ灯油は、家庭用としては、主に暖房や給湯用に利用されています。コストは電気の１／５なので、他のエネルギーに比べ、家計にやさしい燃料といえます。

石油はあとどのくらいあるのか？

地下に存在する原油、天然ガスのうち、技術的、経済的に生産可能な量の事を可採埋蔵量といいます。実際に存在する総量を原始埋蔵量といい、そのうち可採埋蔵量の比率は原油で３０％前後です。
可採埋蔵量は、回収の確実性が高い順に、確認埋蔵量、推定埋蔵量、予想埋蔵量に分類され、年末時の確認埋蔵量（R：Reserves）をその年の生産量（P：Production）で割った数字を可採年数（R／P）と呼んでいます。この可採年数を「あとどのくらいあるか」という目安として使っています。２００４年末の原油の確認可採埋蔵量は１兆２７７７億バレルで、可採年数は４９年となっています。２００３年末の可採年数は４１年でした。
可採年数は、生産によって減少しますが、新たな油田の発見や開発技術の向上によって増加することもあり、変動します。

石油の消費量はどのくらい？

２００３年の石油消費量を国・地域別に見ると、アメリカが最も多く全体の２５．７％を占めています。日本はアメリカに次ぎ、世界第２位の石油消費国でしたが、中国の７．７％が日本の７．０％を抜き、現在第３位の消費国となっています。また日本は９９．７％を輸入に依存しています。その他アジアの１４．３％を含めたアジア・太平洋地域全体の消費量は２８．９％となり、アメリカの消費量を上回っています。
北米、ヨーロッパなどの先進国は、世界全体の半分以上を消費していますが、その増加率は比較的低くなっています。一方、途上国の消費量は小さいですが、中国や他のアジア諸国の人口増加、工業化によって、大幅に増加を続けています。

原油はどんな国から輸入してくるの？

日本は９９．７％を輸入に頼っており、アメリカに次ぐ世界第２位の原油輸入大国です。２００３年度の輸入量は、約２億４４８５万キロリットルで前年度を１．２％上回っています。
輸入先を地域別に見ると、中東地域が全輸入量の約８８％と高い割合を占め、これに東南アジアおよび中国が約９％と続いています。過去に原油の安定供給のため輸入先の切り替えを行い、中東依存度を下げてきましたが、中国やメキシコなどからの輸入が自国需要拡大により減少したため、再び中東依存が上昇傾向となりました。
輸入国別に見ると、アラブ首長国連邦が全体の２４．３％を占め、次いでサウジアラビア（２２．８％）、イラン、カタール、クウェート、オマーンと続きます。中東地域以外では、インドネシア、中国の２国が目立つ程度です。

バレルとは？

バレルとは英語でもともとは「樽」という意味です。石油産業は、今から１４０年前、アメリカのペンシルベニア州での油田開発の成功がスタートだとされています。当時は、石油の輸送にシェリー酒の空樽（５０米ガロン）を利用していましたが、目的地に着いた時は、中身は蒸発や洩れにより目減りし、４２米ガロン（１ガロン約３．８リットル）となってしまったため、これを１バレル（約１５９リットル）とすることになったと言われています。以後、バレルはアメリカを中心に、原油の生産量、埋蔵量などの単位を表す用語となっています。

ＯＰＥＣとはどんな組織？

ＯＰＥＣは、石油収入をできるだけ大きくするために、１９６０年９月に結成された産油国の協議機関です。加盟国は、サウジアラビア、イラン、イラク、クウェート、ベネズエラ、カタール、インドネシア、リビア、アラブ首長国連邦、アルジェリア、ナイジェリアの１１ヶ国となっています。ＯＰＥＣは世界の原油生産量（２００１年）の38％を生産し、原油確認埋蔵量（２００１年１２月末）の７９．４％を占めています。

ＩＥＡとはどんな組織？

ＩＥＡ（International Energy Agency：国際エネルギー機関）は、第１次石油危機後の１９７４年に、ＯＥＣＤの枠内における国際的な機関として設立されました。事務局所在地はパリ。ＯＥＣＤ加盟国であり、かつ備蓄基準（前年の１日当たり石油純輸入量の90日分）を満たす事が加盟条件となっています。加盟国石油を中心としたエネルギーの安全保障を確立するため、石油備蓄や省エネルギー、脱石油に力を入れてきました。最近では、自然エネルギー、石油代替エネルギーの開発の協力なども進めています。

	日本にも油田がある？？？
	敗戦で油田開発を一切禁止されていた日本は、僅かに新潟や秋田、山形で石油を掘っていましたが、ほとんどを輸入に頼わざるをえないくらいの量でした。現在は残るいくつかがわずかに細々と産油を続けています。

ガソリンを持ち運ぶにはどうすればいいの？

ガソリンを持ち運ぶ時、灯油に使うポリタンクを使ってはいけません。これは消防法で定められており、灯油と間違ってストーブに給油する危険性があるため、ポリタンクで販売・購入・運搬・保存するような事を禁じています。どうしてもガソリンを購入・運搬・保存したい場合は、市販されている鋼板製のガソリン携行缶を利用するのが一般的です。
ガソリン携行缶は防錆処理が施してあり、開閉が楽で機密性の高いドラム構造になっているものが良いと思います。
灯油とガソリンを間違って使用するととても危険です！！！

メジャーズって何？

エクソン　　（米国系）
モービル　（　〃　）
テキサコ　（　〃　）
シェブロン　（　〃　　）
ガルフ <1984年にシェブロンに吸収合併される>　（　〃　）
ＢＰ（ブリティッシュ・ペトロレアム）　　（英国系）
ロイヤル・ダッチ・シェル　　　（英蘭系）
以上７社をいい、セブン・シスターズともいわれた。フランス石油を加えて、８大メジャーズということもあった。最近では、エクソン、モービル・オイル、シェブロン、テキサコ、ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ、ＢＰの６社をいう。特徴は、中東やアフリカなどの資源地域と、石油消費地域である先進工業諸国にまたがって事業活動を行う多国籍企業で、原油採掘もしくは精製業の一部門を扱う独立系とは異なり、採掘から販売までの一貫した操業（一貫操業体制）を行う。
８大メジャーズは、他の石油会社の追随を許さない抜きん出た規模を持っていたが、２度の石油危機を通じて、主要産油国における権益を失い後退していった。
その後、昔のように一貫操業体制に固執せず、採算のよい部門に特化するなど大きく変わったが、それでもメジャーの資金力と技術力は健在である。探鉱開発の技術革新による北海、アラスカ、メキシコ等の非ＯＰＥＣ地域での収益の獲得のため、投資を集中させていった。

重油の種類および違いは？

重油は、常圧で蒸留した残油と軽油とを混合して得る石油製品で、褐色または黒褐色の重質油をさします。ガソリン、軽油より沸点が高く、重粘質なため名付けられました。重油は粘度によってＡ重油、Ｂ重油、Ｃ重油に分けられます。
Ａ重油は、ＪＩＳによる重油分類の「１種」のことをいい、特Ａ重油もＡ重油とみなします。
Ｂ重油は、「２種」のことをいいます。
Ｃ重油は、「３種」のことをいい、特Ｃ重油もＣ重油とみなします。Ｃ重油は一番粘度が高く、常温では固まってしまいます。
Ａ重油は、非自動車用ディーゼルエンジン、小型ボイラーの燃料などに用いられます。Ｂ重油、Ｃ重油は、船舶用の大型ディーゼルエンジン、大型ボイラーの燃料などに用いられます。
Ａ重油は重油に分類されていますが、品質は軽油に非常に類似しており、また税金が安いので、たびたびトラックなどの自動車用ディーゼルエンジンの燃料に流用され、脱税や環境対策上の問題になっています。